屋根のカバー工法とは?
屋根のカバー工法とは、既存の屋根をそのまま残したまま、その上に新しい防水シート(下拭き材)を被せた上に、新しい屋根を被せて屋根を改修する工法になります。
その名の通り、屋根を新しい屋根でカバーする工法になります。
屋根が二重になることから、屋根を重ねて葺くので職人さんたちの間では「重ね葺き」とも言われています。
ただし、既存の屋根材によっては施工ができない、もしくは不向きな場合があります。
また、既存の屋根材にさらに新しい屋根材を被せるため、屋根自体の重量が重くなり耐震性に影響がでるため、新たに被せる屋根材は軽量な製品を選ぶ必要があります。
屋根カバー工法のメリットは?
カバー工法でのメリットとしては、既存屋根の解体工事がほぼ必要ないので、解体する手間(人件費)と既存の屋根材の廃棄代がかからないということが挙げられます。
細かくいうと、屋根のテッペンにある棟板金は変える必要がありますので既存の屋根材全てではありませんが、ほぼ全てと言ってもいいくらいのコストメリットは生まれます。
また、解体する手間がないことで施工期間を早めることが可能になることもメリットと言えます。
さらに、今問題されている環境問題に関しても、地球にやさしく、環境負荷が少なく、とてもエコな施工方法となります。
もし、既存の屋根材を廃棄する場合、二酸化炭素排出量も増えることになり、廃材を運搬するのには車を使います。
廃棄する資材が少ないということは運搬する回数や廃棄料そのものを減らすことになりますので、地球温暖化と言われている現状において環境を守るということにも貢献できることになります。
既存の屋根に新しい屋根材を被せることにより、屋根が二重になるためさまざまなメリットが考えられますが、きちんとデメリットも確認された上での施工をお薦め致します。
屋根カバー工法のデメリットは?
コストを優先し過ぎて、もし、既存の屋根の下地が劣化していた場合、雨漏りの原因にもなります。
屋根下地の補修せずにカバー工法を行ってしまうと、劣化した下地もそのままになります。
もし、下地が腐食した状況で施工された場合、建物内部まで雨漏りの被害が進行していて住まいの劣化を早めることになります。
施工後にこのような状況が発覚した場合、現在の屋根と古い屋根の二重で屋根を剥がさなければならず、施工にも手間がかかり、補修費用も高くなってしまいます。
なので、カバー工法を選択する場合は、 事前に入念な点検と調査をしてから、施工できるかどうかを判断することが重要になります。
場合によってはカバー工法には適していない状況も考えられますので、コストだけを重視して選択をせずに、現状の状況の調査をしっかり行うことが大切です。
もし、調査もせずにカバー工法を勧めてくる施工会社さんには注意された方がいいかもしれません。
既存の屋根材にもし、アスベストが含まれてたら?
2004年、建築資材の原料に含まれるアスベストにおける法規制が変更されました。
(アスベストについて詳しく知りたい方は、厚生労働省のサイトをご覧ください)。
ただ、 2004年よりも前に施工された建築物の建材にはアスベストを含んだものがあり、今現在もそのままになっている可能性があります。
その建築資材の中の屋根材にもアスベストが含まれているケースが多く見られます。
そんなアスベストを含む建築資材は環境に与える影響が高いために解体するのも難しく、解体した廃棄物の処理費用も、他の廃棄料に比べて高額になります。
そこでカバー工法にメリットがあるのですが、アスベストを含んでいる既存の屋根材をそのままにしたまま建物に住んでいて大丈夫か?
と心配される方もいらっしゃいます。
でも、ご安心下さい。
アスベストを含む屋根材自体を破壊や粉砕しない限り、アスベストが空気中に飛散することはありません。
ということは、もし、アスベストを含んでいる屋根材をそのままにしていても、暮らしには問題ないことになります。
今、既存している屋根材がアスベストを含んでいるかどうかわからない場合は、お気軽にご相談ください。
カバー工法 施工の流れ
屋根の「カバー工法」とは、既存の屋根の上から防水シート(ルーフィング)と新しい屋根材をかぶせる改修方法になります。「重ね葺き」や「カバールーフ工法」とも呼ばれます。
1.施工前
2.古い板金を撤去
3.劣化した木下地を撤去
4.防水シートを被せる
5.軒先やケラバなど下地水切りの取付
6.屋根全体を新しい屋根材でカバー
7.棟下地と棟板金の取付
8.工事完了
POINT既存の下地材が傷んでいる場合は屋根カバー工法は適しておりません。
その場合は、葺き替えによる屋根リフォーム工事が適しています。
葺き替えを施工する際には、既存の状況に応じてルーフィングの張り替えや野地板の補修・補強を行った上で屋根を改修します。
屋根材だけでなく下地材のメンテナンスもできることから、住宅の耐久性が高められます。
カバー工法のメリット・デメリットをよく把握してから、ご自宅にあった屋根改修を選択しましょう。
屋根のカバー工法には、軽い金属屋根材がお勧めです
カバー工法は既存の屋根を撤去せず、その上に新しく屋根を被せるため、屋根の重量が増えることになります。
そのため、カバー工法においては、比較的軽量な金属屋根材を弊社ではお薦めしています。